Interview:徳永製陶所 徳永圭太

2016.12.31 Interview by Kanae Hasegawa interviews, taf, tokunaga pottery co., ltd.

家庭用食器を中心に多品種製造を行い、商社に販売している徳永製陶所。低コストで手描きのものづくりができる絵付の技術と幅広い世代に受け入れられる豊富なデザインが特徴。「2016/」においてはスウェーデンの建築設計事務所TAFと新しい焼きもの作りに取り組んだ。徳永製陶所の取締役専務、徳永圭太氏に聞いた

 

- 年齢を問わず使うことができるアイテムを作ったそうですが、お子さんからのサンプリングはなさったのでしょうか?

はい。TAFとともに、製品を作るとなったとき、最初に取り掛かったのはマグでした。それは、マグが持ち具合、口当たり、サイズ感などの機能性が最も重要視されるアイテムだと思ったからです。試作の段階で息子に使ってもらい、「好き」という感想を得たので、すぐにTAFにメールしてその後窯業技術センターの3Dプリンターで数ミリ差違いのモデルを3つ作りました。ハンドルに関しても、同じですが、すべてのアイテムにおいてサイズが重要で何度も何度も話し合いました。

 

- 製品の開発を終えてから、時間が経っていますが、「2016/」を振りかえってみての感想を聞かせてください。

海外のデザイナーとの作業では、当初、言葉の面でコミュニケ―ションがうまく取れるか不安もありました。しかし、顔を合わせて話をしていくうちにその壁はあまり感じなくなっていきました。TAFには私や有田のこと、磁器のことを多く理解しようという姿勢が見れましたし、私もTAFの活動を見たり、ストックホルムのスタジオを訪れてデザインのプロセスをみせてもらったりしました。そうやってお互いの目指すべき方向性、コレクションのテーマが理解できたので、ものづくりにおいては、100パーセント言葉が理解できなくても感覚的に理解できると感じました。言葉の問題よりも製作の点では苦労しました。TAFのデザインはシンプルな円と直線が中心です。デザインに忠実な形を磁器で作ることに苦労しました。カラフルな色釉のバリエーションがこのコレクションの特徴ですが、色が決まるまでたくさんテストを行いました。 あと、TAF2人は海が好きだというので福岡空港に送る途中で唐津の虹の松原という美しい海岸に立ち寄ったんです。とても喜んでくれて、写真を撮ったり貝殻を 拾ったりしていました。それが貝殻のレリーフを貼ったマグへと発展したんです。国外の方が捉えた佐賀の印象も取り込んだコレクションになっていると思います。

 

- 売上の感触はどうでしょう?

売上としてはまだまだこれからです。早く多くの人の目にとまるところに商品が届いていけば必ず結果は出てくると思っています。バイヤーの方からマグの新色の提案があり、早速サンプルを制作しました。こういった声にスピーディーに対応していきたいと思います。その意味でお客さんに直接伝えることができる2016ショップ兼ショールームができたことは意味があると思います。一般のユーザーからの感想はまだ届いていないのですが、我が家では毎日の食卓で使用しています。和食、洋食を問わずとにかくきれいに見えるし、私の親も気に入って使っていることから幅広い世代で受け入れられると思います。使っていて改めて収納性に優れていることも感じました。

 

- 窯元として、今後の展望を教えてください。

これからは質の維持と量産化を両立させながら、皆で続けていくことが大事だと思います。 このプロジェクトに参加するにあたり、当社でもガス窯を新設し、生産能力も増大させましたが陶磁器業界でも労働力不足は深刻です。ベテランの職人さんの力を大いに借りながらも、新しい若い世代の人が働きたいような窯に成長していきたいと思います。