Interview: Studio Wieki Somers

2016.06.13 Interview by Laura Houseley interviews, koransha co., ltd., wieki somers

ディラン・ファンデンベルクとウィキ・ソマーズは、ロッテルダムにてスタジオ・ウィキソマーズを設立する以前に、デザインアカデミーアイントホーフェンで学んだ。「日常環境の啓発された解釈 」と表現されるように、繊細で好奇心をそそる作品を制作することで知られている。 2016/ で彼らは、二組のティーセットを伝統的な技法や材料を覆すオリジナルな手法で製作した。

 

- 2016/であなたがたは、香蘭社の象徴である青い釉薬の装飾的なクオリティに焦点を当てています。この伝統技術を抽象化するというアイデアを膨らませたのはいつでしょうか?

香蘭社で、二つのことに感銘を受けました。典型的な濃い青色と、磁器に色付けを施すために使用する鉛型です。この鉛型は、輸出する磁器製品をアップグレードするために18世紀に使用された金の装飾を思い出させます。この技法は、かつて存在した何かの記憶のように、釉薬の下の白い部分を際立てます。私たちは、より現代的な製品を作るためこれらの技法を抽象的な手法で翻訳しました。従来の鉛の型の代わりに、カップのハンドル、またはティーポットの蓋の部分のような実際の磁器のパーツを、釉薬を吹き付ける際に使い、器に強い抽象的なパターンを作成しました。偶然にも、これらのパターンは、最も象徴的な日本のシンボルの一つを連想させます。それは月です。ティーセットではその球形状が繰り返し表現されています。

 

釉薬の作業のプロセスについて少し教えてください。技術を習得することは困難でしたか?

私たちは、スタジオで、折り畳まれたハンドル付きのコップや、取り外し可能な蓋付きポット、積み重ねられたプレート等、紙で作ったモデルの上に塗料を吹きかけて、多くのサンプルを作りました。そして、香蘭社の職人に同じようにするように頼みました。完璧なパターンが出来た時、我々はデジタルに落とし込み、それがフラットな形状のために転写として使用されます。これらは香蘭社の職人によって非常に巧みに使用されている、より効率的な製造技術です。

 

あなたの有田での経験はどのようでしたか? 場所と人々のどのような側面を特に興味深く感じましたか?

2014年の夏には、2016/プロジェクトに関わるほぼすべての工場や仕事場を訪問しました。各工場は、それ自身の技術や特色を持っていたことと、これらの専門的なスキルや知識が、お互いの間で共有されていることを見たのは興味深かったです。特に感動したのは、多くの工場で洗練された磁器を見られたことです。また、オランダと日本の400年になる貿易関係の歴史をリサーチするために、有田からそれほど遠くない平戸市へ足を運びました。そこでは、伝統的な茶道に出席しました。その経験は、私たちのプロジェクトのためのリサーチを完璧なものにしました。

 

このプロジェクトはどのようにあなた達のスタジオの仕事を反映していますか?あなた達自身の手法やアプローチで典型的なものであると思うデザインの側面が反映されていますか?

香蘭社と私たちのスタジオは良いマッチングでした。香蘭社は非常に高い水準を持っており、私たちも自分たちの仕事に非常に厳しい。両者とも、 3Dプリントなどの高度な技術と、伝統的な工芸を生産の手法として組み合わせています。 私たちはデザインの中で、生産プロセスの美しさを表現し、技を高め、世に知らせたいと思っています。私たちの仕事の中には時に発見されるべき意図が隠されており、それはこのプロジェクトにも当てはまります。日本のデザインにおいて特に興味深い発見をしました。それは、装飾はたびたび意味を提供するということです。ティーカップの装飾について語ると、会話や議論が巻き起こります。

 

ティーセットがどのように使用されると思いますか? 日常的に使用するためのもの?それとも、お茶を飲む儀式の一部として楽しむ貴重な作品ですか?

理想的には、ティーセットが日常的に使用されて欲しいです。(「お月見」の際に、 人気のアイテムになるかもしれません。)そして、ティーセットが日本以外でも、ティーセレモニーのインスピレーションになる可能性があることを願っています。