ビクター・ハッフマン

ビクター ハッフマンは実験的なコミック(マンガ)アーティストです。オランダ、ハーグのロイヤルアカデミーハーグでグラフィックデザインを学びましたが、作品はよりイラストレーションや、物語を伝えるという方向に向かいます。

ハッフマンの興味の原点は日本の浮世絵やヨーロッパのEuropean Ligne ClaireというTintinなどで有名な漫画コミックのスタイルにインスピレーションを受けてきました。

ハッフマンは自主的なグラフィック作品の他、幅位広い国際的なクラインとへ作品を提供しています。国際的なビジネス雑誌から(ニューヨークタイムズ、ブルームバーグビジネスウィーク、MITテクノロジーレビューまたWiredなど)からヨーロッパのラグジュアリブランドKENZOやディーゼル、ラコステなど。

近年、ハッフマンは自主的なアート作品とコミックブックの境界線をぼやけさせるような形で実験的なコミックブックを作りました。

2016年、Book of Void(イギリスのLandfill Editionsから出版)という短編物語集を発表しデビューしました。また、2018年にはBlokkenという長編のグラフィック小説を発行。

ハッフマンの作品はオランダ国内、国外で頻繁に展示されおり、オランダのステデリックミュージアムにも展示されています。

 

Project in Arita

  • Title : --
  • Period of Residency : June - August
  • Sponsor : Creative Industries Fund NL

一つ目のデザインは、江戸時代から伝わる伝統的な鍋島焼きにひねりを入れたもので、なかでも亀甲模様の間を這うムカデが描かれた皿は特に印象的である。身の毛もよだつムカデは九州地方においては日常茶飯事に見られ、図太く、やっつけにくいことから妖怪としてみなされてきた。そのために日本美術ではムカデは悪の象徴であるが、ハッフマンはムカデを自分自身の状況と照らし合わし、有田に滞在している三ヶ月の間に日本の美意識を学ぶ上でそれを妨げる悪の存在としてムカデと向き合うことにした。

お皿シリーズ「梅雨」は、日本美術やデザインにおして季節をあらわすモチーフが用いられる点において、日本伝統に沿うものであるといえる。この慣習に見習って、このシリーズはマンガ形式で梅雨の季節の趣を描写したものである。ハッフマンがデザインした十種類の図案は、源右衛門がもともと伝統的食器に使用している絵柄に置き換えられた。花びらの形は窯元の繁栄を意味し、特に梅の花は源右衛門窯の象徴的な絵柄である。デザイナーから源右衛門の職人へ自由に余白を埋める部分の柄を決めるように提案され、その結果一番有名な梅の花が選出された。

転写シリーズは作家オリジナルのデザインを転写シートにうつし、それらを組み合わせて作られた。
この作品のきっかけとなったのが「間取」という丸や角型の区切った空間をつくり、その中に絵柄を配置する絵付け様式の一つである。あらゆる間取を組み合わせることによって、一つの構図の中に複雑な物語や起承転結を表現することができるのである。それはハッフマンによると、マンガの形式と同じだという。
ハッフマンは有田滞在中に身の回りで起きた出来事や体験を元にイラストレーションを制作し、間取にそれらを施した。それは古典的な絵柄であったり、はたまたスーパーの商品や道路の標識からもインスピレーションを受けたという。間取とイラストレーションの配置や構図はコラージュという方法が用いられ、これは彼がマンガを描くときと同じテクニックを陶芸でも試みたのだという。ハッフマンが描いたイラストレーションはシルクスクリーンで転写シートにプリントされ、それらを手作業で磁器表面に切り張りする。本来は大量生産のために使われた技法だが、ハッフマンの場合それぞれ異なる組み合わせで構図を決めるので唯一無二の作品が出来上がる。自由にコラージュし、絵柄を組み合わせ、抽象的な物語を包み込む、新旧ならびに東西が融合した作品である。

Interview

  • 源右衛門窯

肥前有田郷・黒牟田皿山の是米木(ぜめき)に窯を築いてから260年余。長年に伝わる職人の技法、そして古伊万里の様式を守り、受け継いでまいりました。
時代をまたぐ歴史の間にも明治維新や第二次世界大戦などの波乱をくぐり抜けてきました。戦時中は特に厳しい状況で、国全体が消耗していくうえに経済統制の下、企業たちは生産活動を続けてまいりました。源右衛門は政府から伝統工芸生産者と運営の認可を後押しされたので、絶命的停滞を免れました。同時期に、五代目は工業陶磁器について学び、従来の技術やデザインを改善していくことで有田焼きの伝統を今に繋ぐことができました。戦後の混乱期には六代目によってレストランで使われるような食器の製産へと事業を拡大させ、のちに家庭用食器もそれに加わることとなります。古伊万里の美学がより一般家庭にも普及していき、親しまれそれが創造性豊かな生活様式へとつながることを願った。その結果、家庭用食器を違う視点でとらえることで古伊万里の再興を図ることに自分の人生を捧げることを決意したという。

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