ヘレン・フリック

  • Born: 1960
  • Country: The Netherlands
  • Discipline: アーティスト
  • Website: www.helenfrik.nl

フリックは幼い頃から絵を描き続け、「描く」という行為は彼女にとって外界に、そして彼女自身の内界にイメージやアイディアを見出すための動力となっています。対話や提案となって紙面上に表れる様々な要素は、まるで書き換えられ続ける人生の要約であるかのように、見る人に連想または熟考させるものとして捉えることができます。作品のなかに暗示的に私物を取り入れる方法は、制作中に生まれる無数のアイディアとあいまって、風変わりでドラマチックな陶磁器を作り出します。フリックは2011年にFCCM(フリック・コレクション・セラミック・ミュージアム)という独自の美術館を創設し、自身の陶磁器作品の所蔵や販売を行うと同時に、独創的な展示方法や他の作品との相互的な文脈を利用した展示を行なうことで、人類とその道具の歴史、そして人類の機知において陶磁器がいかに中心的な存在を担ってきたかを浮き彫りにしています。

Project in Arita

  • Title : ---
  • Period of Residency : September - November
  • Sponsor : Mondriaan Funds

アーティストが有田に来る前から、フリックは時間の「層」に興味を持っていました。木工職人が木を成形してつくられた年季の入った仕事台に刻まれた膨大な数の線が生み出す板のテクスチャー、日本の古書に見られる虫の穴、汚れやシミ、または何らかの原因で2、3ページがくっついてしまってできるレイヤー、古くなるにつれて半透明に劣化していく紙。 作家はこれらのテクスチャー、時間の層を磁器の作品として表現しようとしました。そして磁器の中に現実的な本の虫の穴を形成するために独自のテクニックを展開し、様々な食器やオブジェを作りました。また、漫画、春画、神道、有田のダイナミックな自然の風土、古い版画、上質な磁器など、有田で遭遇した全ての要素がインスピレーションとなり作品に融合し表現されています

Interview

  • 有限会社 藤巻製陶
  • 代表取締役 藤本浩輔

1775年より有田でモノづくりに携わってきた窯元で、現在10代目を担っています。
クリエイティブレジデンシー有田の活動には2016年より携わらせて頂き、アーティストの方々の作品づくりに対してサポートを行なってきました。

本来、窯元は昔から外向的な交渉などを直接行う事はなくビジネス的な面でも外部の方とのコミュニケーションは気薄な環境でした。
しかし、このアーティストレジデンスの取り組みにより海外の方を受け入れる事で、下向きな行動が上向きな行動に変わってきたと実感しています。
有田の技術を提供するだけではなく、グローバルな目線で物事を考え技術を提供しなければと考えさせられました。

アーティストが三ヶ月で得られる成果を、なるべく多く実現してあげられるよう、そしてその成果がより良い作品づくりに繋がるように、サポートする私たちも努力を続け、今まで以上にグローバルなモノづくりを意識した有田を目指していけたらと思います。

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