西條 茜

2014年京都市立芸術大学大学院 美術研究科修士課程 工芸専攻陶磁器分野 修了。2013 年ロンドン ロイヤルカレッジオブアートへ交換留学。2020年度京都市芸術文化特別奨励 者認定者。

陶磁器素材の特徴ともいえる内部の空洞と表面の艶やかな質感から「身体性」をキーワー ドに、陶彫作品及びそれらに息や声を吹き込むサウンドパフォーマンスを発表している。 また一方で世界各地にある窯元などに滞在し、地元の伝説や史実に基づいた作品も制作し ている。

Project in Arita

  • Title : 有田の御手
  • Period of Residency : February - March

西條茜は有田でのリサーチから、有田焼が世界の中で西洋と東洋を繋ぎ世界を動かす文化的、政治的 存在でありながらも、有田町の人々にとっては生活や労働といった日常を支える存在であること に焦点を当てた作品を作りました。

江戸時代、欧州に大量の磁器を有田から輸出していたことから、佐賀藩は他藩に比べて医学などの新しい知識や技術が比較的入ってきやすかったと言われています。その一つとも言えるのが天然痘ワクチンで、江戸末期に天然痘が流行した際も牛痘ワクチンを佐賀藩は日本で初めて導入しました。

このように有田焼が形を変えて人の命や生活を守ったという逸話から、磁器土で身体的なイメージを取り入れた作品を制作しました。有田焼は赤絵と呉須の絵付が特徴的であることから赤絵で動脈を、呉須で静脈を描き、焼き物が大切な「脈」となっている有田の町のイメージも 含んでいます。

またダブルイメージとして有田の桂雲寺にある「御手の観音」をモチーフにしています。金色に輝く右手の像である観音様に、職人が大晦日に橙々を2つお供えし1つを持ち帰り手に塗ると、ロクロや絵描きの技が上達するという言い伝えがあり、このエピソードから西條は有田町の人々に とって有田焼が生活や労働といった日常を支える存在であることを強く感じました。

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