ベネデッタ・ポムピリ

アムステルダムを拠点とするソーシャルデザイナー。素材へのこだわりと、素材の物語性、そして環境への影響に焦点を当てることは彼女の作品の特徴になっている。彼女は製造工程と美学を、循環型のものづくりに向けて再考している。陶磁器産業の分野を超えた研究を目的とし、情報共有、伝統継続、労働環境や自然環境保護などのテーマで活動しています。

自身のスタジオワークと並行して、アムステルダムのリートフェルト芸術大学の技術顧問兼釉薬教授を務める。

2018年、ISIAファエンツァ大学(イタリア)の工業デザインと陶芸の学部を優秀な成績で卒業。環境を配慮したコンセプチュアルな思考でものづくりへのアプローチを促し、2019年にはデザインアカデミー・アイントホーフェン(オランダ)のソーシャルデザイン修士課程に参加し、2021年にはGijs Bakker Awardにノミネートされて卒業した。

2021年、EKWC(ヨーロッパ陶磁器レジデンシーセンター)のデザイナー・イン・レジデンスに参加。2022年、アムステルダムの国立視覚芸術大学で陶芸の技術研究員を務め、オランダ・デザイン基金のタレント奨学金受賞。2024年、アリタ・クリエイティブ・レジデンシーに参加。彼女の作品は、オランダ国立視覚芸術大学、ゲント市デザイン博物館(ベルギー)、オランダ国立陶磁器博物(オランダ)などで展示されている。

Project in Arita

  • Title : Once-Fired Blue
  • Period of Residency : January - March
  • Sponsor : Creative Industries Fund

ベネデッタ・ポムピリは、ソーシャルデザインを中心に活動している。彼女は、作品が生態系に与える影響を最小限に抑えるよう努力している。有田で実施しようとしているプロジェクト「Once-Fired Blue」。ポムピリは、気候変動に直面している放棄された山のビジョンを想像している。このビジョンによって、ポムピリはセラミック知識の交換、地元の職人技の保護、環境に対する意識の向上という点で、日本とヨーロッパの文脈を豊かにすることを目指している。このプロジェクトの核となるのは、一回焼きという技法の実験である。荒釉とも呼ばれるこの技法は、古典的な染付の青釉に、デジタル転写プリントや釉薬のエアスプレーといった工業的な製造方法や装飾を組み合わせたものである。日本で仕事をすることで、デザイナーは倫理的に知識を広げ、自分のデザイン視野を磁器に広げ、磁器に応用できるようになることを目指している。

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